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Nobuhiro Takahashi
Designer / Engineer

Flashで作られたユーザーインターフェースと使い勝手

Flashで作られたユーザーインターフェースと使い勝手

ウェブにおける表現というのはFlashというテクノロジーと高速なインターネットインフラによって飛躍的に向上してきた。今では音声、動画はあたりまえという時代。フルフラッシュサイトも当たり前のように存在してきている。だが、Flashにおける表現の模索はいまだ続いている。

Flashにおける表現を拡大していった結果、ユーザーインターフェースとコンテンツ内のデザインを一体化するという手法が取られるようになっていった。これによりサイト全体にシームレス感が生まれる。この手法はユーザーが一見するだけで「おっ」といった小さな感動を与える事ができた。

しかしこの手法が行き過ぎると、高いリテラシーをもったユーザーのみしか操作不能なコンテンツに陥ってしまう。ユーザーは初めてそのサイトに訪れたとき、そのサイトのインターフェースを初めて体験するわけである。もし「新たに覚えないといけない操作」が多くあった場合、ユーザーはどうすればいいのか混乱してしまう。インターフェースをアーティステックなものにすればするほど斬新なデザインになる分、そこには危険が生まれてしまう。

だから自分は、できればFlashでできるユーザーインターフェースはできる限り普段操作するパソコンの操作に近い方がいいのではないかと思う。とくに広告系の突発系キャンペーンサイトならば、コンテンツを移動するボタンが目立つように整然と配置されており、見た目の印象のインパクトよりも情報の視認性を重視し、様々な情報にすぐさまアクセスできるようにすべきだと思う。

具体的なサイトの名前を出すと色々問題がありそうなので避けておくけども、よく見かけるインターフェースとして、「回転するメニュー」や、「マウス追従するスクロール」、「スクロールバーを操作するとイージングが極端にかかってスクロールする」、「ドラッグさせて表示するインターフェース」、「MacのDockを模した拡大縮小するメニュー」、「あまりにも説明がなさすぎるインターフェース」、「英語だけのインターフェース」、「多くの情報をすばやく一覧する事ができないインターフェース」、「3Dを利用したインターフェース」などは個人的に避けたい表現だと思っている。

それぞれもちろん調整などを行って、使い勝手のよいインターフェースに近づけることが可能だが、広告サイトの場合、ユーザーは基本的にそのインターフェースを体験するためにサイトに訪れているのではなく、コンテンツの中身とその情報を知りたいが為に訪れるわけである。普段利用するパソコンのソフトウェアなどと同じような、または近しい動作をするインターフェースの方がユーザーとしてはよけいな体力を消耗しなくて済む。

Flashを使用する広告サイトに携わる人間は基本的にFlashは「リッチな表現」→「可能性無限大」→「新しくいままでになかったものを」→「斬新なインターフェースのサイトはすばらしい」という順序に行きがちだが、全くユーザーありきで考えられておらずこれではただのクリエイターのエゴにしかならない。

クリエイターは(特にFlashクリエイターは)ユーザーインターフェースについてもう一度考え直す必要があるのではないかと思う。Flashは様々な表現が可能な分、ユーザーの体力を消耗するサイトになりがちである。そのため、Flashでサイトを作るときはXHTMLとCSSで作るサイト以上に気を配らなければならない。サイトの内容はともかくとして、少なくとも自分の母親が混乱せずにすべての情報を閲覧できるようなウェブサイトにすべきなのだ。

という自分に対しての戒め文章。自分のサイト制作に対する考え方が少しまとめられた気がしました。

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